運動を始めても、気づけばやめている。久しぶりに再開したら、今度は体を痛める。そんな繰り返しをしていないだろうか。
私はずっとそうだった。腕立て伏せで肩を痛め、スクワットで膝を痛め、腹筋で腰を痛めた。そのたびに休み、休んでいるうちに運動そのものから離れていった。そして「続かないのは意志が弱いからだ」と自分を責めていた。
今は違う。運動の量はむしろ減ったが、続いている。変えたのは気合ではなく、体に対する向き合い方だった。「鍛える」のをやめて、「付き合う」ことにしたのだ。
今回は、その考え方の転換と、今の私の運動の中身を書いてみたい。散歩・筋トレ・ストレッチの詳しい話はそれぞれ別の記事にしているので、この記事はその入口として読んでもらえればと思う。
運動を「鍛える」で始めて、毎回崩れていた
最初に朝のルーティンを作ったとき、私は運動で体を変えようとしていた。
ストレッチと筋トレで30分、散歩で60分。そこに勉強・読書・日記を加えると、朝だけで4時間以上かかる日もあった。当然、毎日は続かない。それでも当時の私は、やり方ではなく自分を疑っていた。もっと頑張ればできるはずだ、と。何よりも仕事をしていないのだから。
今思えば、目標が「体を鍛えること」になっていたのが問題だった。鍛えるという発想だと、昨日より多く、昨日より長く、が正解になる。量を増やせば疲れて休み、休めば「サボった」と感じてまた自分を責める。続かない構造が、最初からできていたのだと思う。
体を痛めて、ようやく方向を変えた
もう一つの問題は、痛めることだった。
腕立て伏せでは肩と肩甲骨まわりを痛めた。肩こりはそのまま慢性的になり、今も付き合い続けている。スクワットでは右膝の裏側に痛みと違和感が出た。腹筋では腰を痛めた。
どれも、回数をこなすことばかり考えて、自分の体の状態を見ていなかった結果だった。
痛めると、しばらく動けない。動けない期間が空くと、再開のハードルが上がる。私にとって「運動が続かない」の正体は、やる気の問題というより、痛める→休む→戻れないという流れだったのかもしれない。
「鍛える」と「付き合う」は何が違うのか
何度か痛めてから、運動の目的を変えた。
鍛えるのではなく、付き合う。体を目標に向けて変えていく対象として見るのではなく、毎日の状態を見ながら、今日できる範囲で動かすものとして扱う。違いを整理すると、こうなる。
| 鍛える | 付き合う | |
|---|---|---|
| 目的 | 体を変える | 調子を保つ |
| 基準 | 回数・時間 | その日の体の状態 |
| 痛みが出たら | 我慢して続ける/全部やめる | 種目や量を変えて続ける |
| 休んだ日 | サボった感覚による罪悪感 | そういう日もあると受け入れる |
いちばん大きいのは「痛みが出たら」の行だと思っている。鍛える発想だと、痛みは我慢するものか、やめる理由のどちらかになる。付き合う発想なら、中身を変えて続ければいい。ゼロにしないことが、結果的に一番続く。
今の私の付き合い方
今の運動は、拍子抜けするくらい少ない。
散歩:理由をつけて15分歩く
散歩は15分。以前の60分の4分の1だ。散歩のためだけに散歩はせず、外に出る理由とセットにしている。そのほうが「今日は歩く気にならない」という判断が入りにくい。
続けるためのコツは、散歩はついで。何か理由をつけよう。<製作中>にまとめている。
筋トレ:1〜2種目を、ゆっくり3セット
筋トレは1〜2種目だけ。その代わり、動作をゆっくり行い、3セットやる。回数を稼ぐより、どこに効いているか、どこかに無理がかかっていないかを感じられる速さにしている。痛めた経験があるからこそ、量より質に寄せた。
肩・膝・腰を痛めた失敗の中身と今のやり方は、筋トレで体を痛めてしまう人へ<製作中>で詳しく書いている。
ストレッチ:10分、気になるところから
ストレッチは10分。肩、膝、腰と痛めた場所が多いので、その日に気になる部位から選んでいる。参考にしている動画は、おすすめストレッチ動画5選|腰痛・肩こり・膝に痛みがある人<製作中>へで症状別に紹介している。
全部合わせても40分に満たない。昔の半分以下だが、止まらずに続いている分、今のほうが体と向き合えている感覚がある。
体の状態は「記録」で知る
付き合うためには、相手の状態を知る必要がある。私の場合、それが記録だった。
Notionでは毎日、頭・首・肩・腰・股関節・足を「快調/普通/軽い凝り/軽い痛み/強い痛み」の5段階で記録している。感覚だけで捉えていた頃は「なんとなく調子が悪い」で終わっていたが、部位ごとに残すと、どこがいつから悪くなったのかが見えるようになった。記録の置き方はNotionでできること。無職の私が生活の立て直しに使っている3つの用途で紹介している。
もう一つ役立ったのが、Fitbit Inspire3での睡眠計測だ。データを見ていると、夜中に目が覚める回数が多い日は、翌日に肩こりや腰痛が出やすかった。逆に、日中によく動いた日は深い睡眠が増えていることが多かった。
運動と睡眠と体の痛みは、別々の問題ではなかった。これに気づいてから、「今日は肩が重いから筋トレは軽めにしよう」「よく眠れなかったからストレッチを丁寧にやろう」と、判断に根拠が持てるようになった。Fitbitで何が分かるかはFitbit Inspire3レビューに書いている。
付き合い方を変えて、良くなったこと・良くならなかったこと
正直に書いておく。
良くなったのは腰だ。退職前は慢性的だった腰痛が、以前より軽くなった。腹筋で痛めたこともある場所なので、無理をせず続けてきた結果だと思っている。
一方で、良くならなかったこともある。肩こりは今も慢性的で、膝の違和感も完全には消えていない。体重も退職前の74.2kgから一時81kgまで増えた。これは運動より食べすぎの影響が大きいと思うが、運動だけで体が変わるわけではないということでもある。この1年の体の変化はニート生活1年を振り返ってわかったことにまとめている。
付き合い方を変えても、体は劇的には変わらない。ただ、痛めて止まることはなくなった。私にとっては、それが一番大きな変化だった。
なお、ここに書いているのは私が自分の体で試した範囲の話だ。痛みが強い場合や長引く場合は、自己判断で続けずに医療機関に相談してほしい。
まとめ:動かないから、やる気が出ない
無職になって1年、一番実感したのは「やる気が出ないから動かない」のではなく、「動かないからやる気が出ない」ということだった。この話は無職になって1年間、本当に時間を使ってよかったこと10選<作成中>にも書いた。
だからこそ、動くことを止めない形にしておく必要があった。鍛えようとすると、量が増えて、痛めて、止まる。付き合うつもりでいれば、少ない量でも続けられる。
もし今、運動が続かずに自分を責めているなら、量を半分に減らしてみるといいかもしれない。散歩なら15分、筋トレなら1種目。物足りないくらいで、ちょうどいいのだと思う。
体は鍛える対象である前に、毎日一緒に過ごす相手なのかもしれない。
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