OneNoteを長く使っていて、「これ、そろそろ限界かもしれない」と思ったことはないだろうか。
私の場合の限界は、ページが増えすぎて、過去に書いたものを探すのも、昔と今を見比べるのも、だんだん面倒になってきたことだった。
私がOneNoteを使いはじめたのは2018年だ。ジャーナリングというほど立派なものではなく、日記や感情の吐き出し、予定、これからの計画。そういうものを、思いついたときに書いていた。
2022年7月頃までは完全に不定期だった。書きたいときだけ書く。2022年の後半から、毎日書く習慣をつけた。この4年間の書き方の変遷は、4年間続けてわかった日記とジャーナリングのやり方にまとめている。
そして今年、2026年から日記の記録先をNotionに移した。結論から言うと、私にとっては乗り換えて正解だった。ただし、すべての人におすすめできるわけではない。
今回は、8年使ったOneNoteをなぜ手放したのか、そして移行して不便になった部分の両方を書いてみたい。ちなみに私は今もOneNoteを使い続けている。用途を分けただけだ。
階層はきれいだった。しかし「比べられなかった」
まず前提として、OneNoteは悪いツールではない。
無料で使えて、Microsoftアカウントだけで始められる。ノートブック→セクション→ページという階層は直感的で、迷わなかった。
私は年ごとにノートブックを作り、その中を各月でセクション分けしていた。2022年のノートブックを開けば、1月から12月まで並んでいる。

年ごとにノートブックを作り、月でセクション分けしていた。まとめる分には迷わない。
まとめるという意味では、これ以上ないくらい整っていた。
問題は、そこから先だった。
同じ質問への答えを、並べて見られない
決定的だったのは、自己理解のワークに取り組むようになってからだ。
この手のワークは、同じ質問に何度も答える。「今、一番避けていることは何か」といった質問に、3ヶ月後、半年後にまた答える。
意味があるのは、答えそのものより「答えの変化」のほうだ。
しかしOneNoteだと、その答えは別々のページに散っていく。1月のセクションと、4月のセクションと、7月のセクション。
同じページに全部書けばいいのでは、と思うかもしれない。私も試した。結果、ページが縦にどこまでも伸びて、今度はスクロールで探せなくなった。
書いたものが、書いた日付の場所に固定されてしまう。
日記も同じだった。「去年の今頃、自分は何を書いていたか」を確かめるのが、毎回ひと苦労だった。
移行の決め手は「一覧で並べて見返せる」ことだった
Notionに移った理由は、正直これに尽きる。
Notionはページの中にデータベース(テーブル)を作れる。私は自己理解ワーク用のページを作り、その中に質問ごと・ワークごとの一覧を置いた。

各項目に、日付ごとの記録を積んでいく。
これだけで、同じテーマの記録を一覧で見返せるようになった。以前の回答と今の回答を行き来する手間がなくなり、変化そのものに目が向くようになった。
見返すのも、比べるのも、以前よりかなり楽になった。
タブで開けるのが地味に効く
Notionはページをタブで開ける。ブラウザと同じ感覚だ。
日記のページと、ワークのページと、リストのページを同時に開いて行き来できる。OneNote時代は、この移動が全部「戻る」だった。
小さいことだが、使用頻度が高いぶん差が出た。
毎日の健康状態が、可視化できるようになった
一覧にしたことで予想外によかったのが、体調の記録だ。
日付を縦軸にして、睡眠・体調・気分といった列を作る。毎日1行ずつ埋めていくだけ。

同じ項目を毎日同じフォーマットで記録できるので、睡眠時間や体調の変化を一覧で比較できる。日記や自己理解ワークも、テーマごとにまとめて見返しやすくなった。
それが数ヶ月たまると、「調子が落ちる時期」が目で見えるようになる。文章で書いていた頃は、まったく気づけなかったことだ。また量が溜まったところで、AIで一気に分析するのもおすすめ。
リストが「フォーマットに乗せるだけ」で回る
読書からのアクションプラン、やることリスト、やりたいことリスト。
こういうものをデータベースで作っておくと、思いついたときにフォームに1行足すだけで記録できる。書式を考えなくていい。
そして一覧で見たときに、実行済みと未実行が視覚的に分かる。
読んで終わり、書いて終わりが減った。 これが一番実利のある変化だった。
私がNotionに日記・目標・健康・週間KPIをどう置いているかは、Notionでできること。無職の私が生活の立て直しに使っている3つの用途にまとめている。この記事は「なぜ移行したか」に絞っているので、実際の中身が気になる人はそちらを見てほしい。
AIとの連携が使える
ここまでは「並べて比べられる」という話だった。移行してからもうひとつ効いてきたのが、AIとの相性だ。
Notionには標準でAI機能があり、蓄積したページをまたいで検索したり、要約させたりできる。「先月の記録から、繰り返し出てくるテーマを挙げて」といった聞き方ができる。
日記や自己理解ワークのように、自分では気づきにくいパターンを扱う記録とは、この相性がいい。1年分の自分の文章を、自分以外の目で読み返してもらうような感覚に近い。実際にAIへ自分のことを読ませてみた話は、ChatGPTで自己分析してみたら、動けない原因が言語化された話に書いた。
どのAIをどう使い分けているかは、ChatGPT・Claude・Perplexityの使い分けにまとめている。
OneNoteにもCopilotの連携はあるが、私の使い方の範囲では、Notionのほうが「蓄積した自分の記録に対して聞く」がやりやすかった。
なお、AI機能は無料プランだと使用量に制限がある。プランと価格は改定されることがあるので、契約前に公式サイトで最新のものを確認してほしい。
正直、困ったこと・変わらなかったこと
いいことばかり書くと嘘になる。
1. 「どこに保存するか」問題は、解決しない
これは正直に書いておきたい。
Notionに移れば置き場所に悩まなくなる、という話をよく見る。私はそう感じなかった。
どのページの下に置くか、どのテーブルに入れるかは、結局同じように迷う。むしろ自由度が高いぶん、迷う余地は増えた。
変わったのは「保存場所に悩まなくなったこと」ではなく、「保存したものを比べられるようになったこと」だ。
ここを取り違えると、移行してがっかりすると思う。
2. 移行作業は、しなかった
8年分の日記を全部移す、という選択肢は最初から捨てた。面倒だったからだ。
私が決めたのはこうだ。
- 2025年までの日記 → OneNoteにそのまま残す
- 2026年(今年)以降 → Notionに書く
- 過去を振り返りたくなったとき → そのページだけコピペしてNotionに貼る
これでほとんど困っていない。過去8年分のうち、実際に貼り直したのはごく一部だ。
私なら、全部移そうとした時点で挫折していたと思う。 区切りを決めて、そこから先だけ新しいツールで書くほうが現実的だと思う。
3. 手書きは、完全にOneNoteの勝ち
これははっきり言える。
私は中国語の勉強でOneNoteを使っている。無限に広がるキャンバスに、手書きで問題を解く。余白に補足を書き足す。図を描く。
この体験はNotionには存在しない。Notionはテキストのブロックを縦に積む構造で、自由な位置に手書きする発想がそもそもない。
だから私は今も、勉強用にOneNoteを使い続けている。移行というより、用途で分けたというのが正確だ。
手書き中心の人は、移行しないほうがいい。
4. 起動と表示が遅い
OneNoteは軽い。開いたらすぐ書ける。
Notionは体感で1〜3秒待つ。ページが重いとさらにかかる。ネットが不安定な場所だと明確にストレスになる。
「ふと思いついたことをすぐ書く」用途では、OneNoteのほうが優れている。
5. オフラインが弱い
Notionはオフラインでも一応使えるが、事前に開いていないページは見られないことがある。
OneNoteはローカルにキャッシュを持つので、この点は強い。電波の悪い場所で書く時間が長い人には、無視できない差だと思う。
OneNoteとNotionの違い|結局どっちがおすすめ?
8年OneNote、その後Notionを使った上での結論を書く。
Notionが向いている人
- 日記や日々の記録を、一括で見返して比較したい
- 同じ質問・同じ項目に、繰り返し答えていく記録の取り方をする
- 体調や気分など、続けて記録して変化を見たいものがある
- やることリスト・読書メモなどを、実行済み/未実行で管理したい
- 蓄積した記録をAIに読ませて振り返りたい
- テキスト中心で考えるタイプ
OneNoteのままでいい人
- 手書き・ペン入力が中心(勉強、図解、ノート取り)
- 思いついたことを即座に書きたい(起動速度が重要)
- オフラインで使う時間が長い
- 時系列に沿って書き、後から比較する必要がない
- 今の使い方で特に困っていない
最後にもうひとつ。
困っていないなら、移行しなくていい。
私が移行したのは、「同じテーマの記録を並べて見返したい」という具体的な不便があったからだ。その不便がない人にとって、Notionは重くて遅いだけのツールになる可能性がある。
移行するなら、両方使えばいい
もし検討しているなら、いきなり全部移さないでほしい。
私がやってよかったのは、日記や日々の記録などの定期的に見返したいものだけを年の切り替わりでNotionに移したことだ。過去のものは動かさない。勉強用のOneNoteはそのまま残す。
ツールは1本に絞らなくていい。
比較したい記録はNotion、手を動かして考える記録はOneNote。この分け方で今のところ困っていない。
まとめ
私がOneNoteからNotionに移行した理由は、「書いたものを並べて比べたかった」の一点だ。
階層をたどって探す管理から、同じ形式の記録を一覧で見返す管理へ変えた。それだけのことだが、自己理解ワークの答えの変化も、体調の推移も、初めて自分で見えるようになった。

実際には、日記もジャーナルもこうして一箇所に溜まっていく。溜まった記録を後から並べて見返せるのが、私にとっての移行の価値だった。
ただし、Notionへ移した用途では手書きの自由さと起動速度を失った。完全な上位互換ではない。
そして正直に書くと、ツールを変えた直後の私は、きれいなテーブルを作って満足していた。中身はしばらくスカスカだった。
道具を整えることと、使うことは、やっぱり別の話らしい。
もし今「書いたものを見返せていない」と感じているなら、日記でも読書メモでも、ひとつだけNotionにテーブルを作ってみるといいと思う。列は3つでいい。日付と、内容と、あとひとつ。
それで2週間書いてみて、合わなければやめればいい。それも立派な結論だと思う。
そもそも「Notionで何ができるのか分からない」という人は、Notionでできること。無職の私が生活の立て直しに使っている3つの用途から読んでもらうといいかもしれない。ツールを乗り換える前に、何を置けるのかを知っておくほうが早い。
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